トリコモナス症の治療法 早く治す方法は?自然治癒はできるの?

トリコモナス症の治療方法

このページでは、トリコモナス症の治療の方法について説明していきます。膣トリコモナスに感染してしまった場合、一日でも早く治したい所です。非常に気になる早く治す方法や自然治療について説明していきます。

トリコモナス症の治し方

トリコモナス症の治療は、男性の場合なら主に尿道に、女性の場合は膣に感染した寄生虫の「膣トリコモナス(Trichomonas vaginalis)」を退治することで症状が改善していきます。その大きさは0.01mmくらいで非常に小さい為、当然ながら目視できません。膣トリコモナスに感染していると、感染箇所の炎症だけでなくHIVへの感染確率がが2~3倍に上がってしまう為、早期治療が必要となります。

経口薬で治療

トリコモナス症は経口薬で治療

治し方としては抗原虫作用のある薬で投薬治療していきます。治療には主成分がメトロニダゾールの「フラジールが病院で処方されます。トリコモナス症の治療に、フラジール以外ではチニダゾールを主成分とした薬「チニダゾール錠」が使用されます。

経口薬のメリットは薬を服用することで体全体に効果が行き渡る為、性器以外に感染している膣トリコモナスを一緒に駆除してくれます。

経口薬の飲み方と服用期間

フラジール錠250mg
1日回の服用量:1回250mg(1錠)を1日2回
期間:10日間服用する
チニダゾール錠500mg
1日回の服用量:1回2,000mgを1回服用
服用後1週間経った後再度トリコモナスが検出されたら最低1週間以上空けてから2000mgを1回服用

フラジールの詳しい飲み方について「フラジールの飲み方」のページを参照してください。

膣錠で治療

トリコモナス症の治療の際に、女性に限り坐剤タイプの膣錠を使用して治していく事もあります。膣錠を膣奥深くまで入れ、膣内部で薬が溶けることで有効成分が膣全体に広がって、膣内に感染している膣トリコモナスを死滅させていきます。局所的に効く分、副作用が限定的となります。また妊娠3ヶ月未満の妊婦の治療にも使えます。

膣錠の使い方

フラジール膣錠
1日回の服用量:1日1回膣錠を膣奥深くまで挿入する
期間:10~14日間連続して挿入すること
チニダゾール膣錠
1日回の服用量:1日1回膣錠を膣奥深くまで挿入する
期間:7日間連続して挿入すること

トリコモナス症の治療では、経口薬を服用するのが基本となります。主に膣錠を使用する膣カンジダ症の治療と異なり、膣トリコモナス症の場合は、膣錠のみで治療していく方法は、産婦人科外来では推奨されていません。基本は経口薬で治療していき、悪化している場合は経口薬と膣錠の併用で治療していきます。経口薬のみよりも膣錠と併用して治療していくことで、再発率の低下を期待できます。

自然治療について

膣トリコモナスに感染することで起きるのが、トリコモナス症です。感染したトリコモナス原虫を死滅させることで症状が治ります。膣トリコモナスという寄生虫は、感染してしまうと体内の免疫力や自浄作用では殺虫できません。基本的には自然治癒はできないどころか放置しておくと、どんどん悪化していきます。自然治癒と呼べるかは不明ですが、男性の尿道にトリコモナスが感染した場合、排尿と一緒にトリコモナスが排出されることがあります。厳密言うと治癒にはなっていません。感染しにくいと言われる男性であっても、尿道の他に前立腺や精巣などにも感染する場合があります。2009年にアメリカのハーバード大学の研究者によって、膣トリコモナス症が前立腺がんの発症リスクを2.17倍に、前立腺がんで死亡するリスクが2.69倍になるという研究結果が発表されています。そのため、男性であっても放置するのではなく早期治療が必要なのです。

膣トリコモナス(Trichomonas vaginalis)について

膣トリコモナスは、乾燥に弱く強い酸性の環境下では死んでしまう特徴があります。水素イオン指数のpH(ピーエッチ)が5.0以上の酸性環境にならないと活発に活動しません。正常の膣内はpH4.5となっています。その為、正常な膣内の環境ではトリコモナス原虫は活動できないのです。女性が膣トリコモナスに感染すると、膣内の酸性度を高める働きをしてくれる乳酸桿菌が減少あるいは消滅し、嫌気性の細菌が増加し、pHが上昇し弱酸性になってしまいます。この乳酸桿菌(にゅうさんかんきん)は、膣内のグリコーゲンを乳酸に分解し、膣内の常在菌同士の均衡を保ってくれています。この乳酸桿菌に必要なグリコーゲンを感染した膣トリコモナスが消費してしまうため、乳酸桿菌の働きが邪魔されてしまうのです。乳酸桿菌の働きが弱まることで、膣内の酸性が弱くなりアルカリ性側に傾く為、pHが上がりトリコモナスが活発化できる環境になってしまうのです。また、膣内の常在菌同士のバランスが崩れることで、他の菌が繁殖しやすくなるため、トリコモナス症になると、細菌性腟症を併発しやすくなります。

トリコモナス症の根絶の難しさ

膣トリコモナスは寄生虫の1種です。このトリコモナスが体内に感染することで、潜伏期間を経てから様々な症状を発生させます。この潜伏期間がとにかくやっかいなのです。人によって数日から数ヶ月とかなり幅があるからです。平均的には3週間位と言われていますが、個人差がかなりあります。また感染経路のほとんがコンドームを使用しない性行為ですが、それ以外にも共同浴場やプールなど水を介して感染する可能性もあります。トリコモナス症になっている親が、子どもと一緒に入浴したことで、性行為経験が無い子どもにトリコモナスが感染した症例もあります。その為、いつどこで誰から感染したのか、原因を特定しにくくなっている事がトリコモナス症の根絶を困難にしている原因のひとつです。中でも複数のセックスパートナーがいる人はとくに注意が必要です。

女性でも50%は無自覚

膣トリコモナスに感染したとしても、女性20~の50%は自覚症状がないと言われています。男性の感染者場合は、そのほとんどが無自覚であると言われています。トリコモナス症の相手とコンドームを使用しないセックスをした場合、かなり高い確率で感染してしまいます。女性の場合は、病状があらわれることが多いため、自主的に治療を行い例え完治しても、セックスパートナーの男性も同時に治療しなければ、セックスをすることで再び感染してしまいます。このうつしたりうつされたりを繰り返す「ピンポン感染」が起きやすい病気でもあるのです。この自覚症状の少なさも、トリコモナス症が広がってしまう原因のひとつです。

パートナーと一緒に治療

もし膣トリコモナス症の自覚症状が現れた場合、セックスをしたパートナーも一緒に治療する必要があります。自覚症状が出やすい女性が、投薬治療により完治しても、治療開始前に既にパートナーに感染している可能性が非常に高いからです。同じパートナーと再びセックスすることで、ピンポン感染を引き起こします。また他のパートナーとセックスをすることで、トリコモナス症を撒き散らす要因にもなります。また家族がいる場合には、お風呂やタオルから感染を拡大させてしまうため、感染した可能性がある人は、皆一斉に治療することが重要なのです。

トリコモナス症を治すには、フラジールを始めチニダゾール錠でも薬を服用するだけで簡単に治療できますので、もし膣トリコモナスに感染してしまった場合は、一緒に投薬治療をしていきましょう。