性病のお話 トリコモナスと他の性感染症との症状の違い

トリコモナス症と他の性病

トリコモナス症は性感染症(STD)のひとつで、主に性行為によって感染する病気です。女性の場合顕著に症状があらわれ、膣のかゆみやおりものに変化があらわれます。似たような症状の病気に、膣カンジダ症やクラミジア等があります。性感染症の特徴を理解して、早期治療をしていきましょう。

トリコモナス症の症状

膣トリコモナスに感染した時の症状は下記のようになっています。

女性のトリコモナス症の症状

炎症による外陰部のただれ
悪臭を伴う黄色または緑色の膿性の泡だったおりもの
性交・排尿時の不快感
外陰部のかゆみ、灼熱感
下腹部の痛み

トリコモナス症の特徴は、女性の場合強烈な悪臭を放つおりものです。魚が腐ったような臭いで「アミン臭」とも呼ばれています。また膣トリコモナス原虫による炎症でおりものが黄色や緑色の膿みたいな色に変化します。炎症によって引き起こる女性器のかゆみや痛みは、他の性感染症にもあらわれますが、おりものの色と臭いの変化にはトリコモナス症特有の症状がありますので、治療の際に指標としてください。

男性のトリコモナス症の症状

尿道から膿が出る
排尿時に軽い痛み
尿道にかゆみ、灼熱感、違和感を感じる

男性の感染者のほとんどが無症状で済んでしまいます。そのため、自分が感染したのかどうかがわかりにくいのが、病気を伝染させてしまう原因にもつながっています。

トリコモナス症の治療にはフラジール

トリコモナスの治療には、半世紀以上も使用されている薬「フラジール」が広く処方されています。トリコモナス症の治療効果が非常に高く、抗原虫作用でトリコモナス原虫を死滅してくれます。またトリコモナス症は、様々な膣の病気を誘発させ、細菌性腟症も合併症的になったりします。しかしフラジールは、トリコモナス症の治療だけでなく、抗殺菌作用で細菌性腟症にも効果を発揮してくれる大変優秀な治療薬となっています。

トリコモナス症と似た性病の症状

トリコモナス症と似たような症状があらわれるSTD(性感染症)を紹介していきます。

性器カンジダ症

人間の常在菌であるカンジダ真菌がホルモンバランスが崩れたり、過度のストレスや抗生物質の服用などが原因により、異常増殖をしてしまうことで発症する病気です。性行為でも感染することがあるため、性感染症のひとつとされています。

病変箇所は、男性の場合は性器となるため、抗真菌剤の軟膏やクリームを塗って治療します。女性の場合、外陰部であれば同じく抗真菌剤のクリームを塗ることで治療できますが、膣内部には使えないため、坐剤タイプの膣錠と併用して治療していきます。膣錠であれば膣内部からカンジダ真菌を死滅させていくため、軽度であれば膣錠だけでも治療は可能です。

治療には長年に渡って販売されているエンペシドが有名です。エンペシドのジェネリック薬のカーネステンも販売されていて、値段も市販薬より安価に購入できるため、非常にオススメな治療薬となっています。こちらも膣錠とクリームタイプを購入できます。カンジダ症の治療には、膣錠とクリームの両方を購入し、併用して治療に当たることで、性器カンジダ症を早く治療できます。

女性の性器カンジダ症の症状

おりものの量が増える
ヨーグルトやチーズ状の白いカスが出る
外陰部に激しいかゆみ
外陰部に痛み
性交痛

女性に多い病気に性器カンジダ症(膣カンジダ症)があります。再発率も高く5人に1人が経験しているほど、女性に多い病気です。膣カンジダ症の特徴としては、白いカスが出ることとおりもの量が増えることです。カンジダ症も炎症が原因で性器のかゆみや痛みが発症するため、トリコモナス症と近い症状があらわれます。その為、白いカスやおりものに注意することで、症状の見極めにつながります。

男性の性器カンジダ症の症状

亀頭周辺に湿疹(赤くなる)
性器のかゆみ
白いカスが出る

発症箇所が男性器の主に亀頭周辺になります。軽いかゆみやただれ、赤みを帯びて白いかすがでるようになったら要注意ですが、膣トリコモナス感染症と同様に、男性には強い症状(病変)がないため、注意して観察しないと気づきません。カンジダ菌は乾燥に弱い為、男性器の構造上清潔にしていれば自然治癒することが多く、症状が出ずに悪化する前に治ってしまいます。

性器クラミジア感染症

クラミジアは感染力が非常に強い病気です。粘膜同士の接触では50%の確率で感染してしまいます。菌自体は粘膜部以外では非常に弱く生存できません。主にコンドームを使用しない性行為で感染していきます。オーラルセックスの普及により、喉に感染する喉クラミジアもあり、風邪のような症状を引き起します。治療には抗生物質を服用して治療していきます。日本の患者数は平成28年度で男性11,723名、女性12,673名と性感染症の中でも患者数が一番多いため、一番蔓延している性病となっています。クラミジアの治療にはジスロマックが広く処方されていて、有名な薬です。

※引用データ:厚生労働省 年齢(5歳階級)別にみた性感染症(STD) 報告数の年次推移)

女性の性器クラミジア感染症の症状

おりものの量が増える
不正出血
性器のかゆみ
性器の臭いがきつくなる
性交時に痛み
下腹部の痛み

クラミジア症の場合は、女性の方が気づきにくい点があげられます。生理が不安定な人なら不正出血を起こしやすいため、原因がクラミジア感染だと気づきにくい点です。膣炎を起こすため、他の性感染症と勘違いしやすく、クラミジア症独特の臭いもパートナーがいないと自分では気づきにくい点も挙げられます。これから原因で女性の性感染症の中で一番多いの性器クラミジア症なのです。また感染確率も非常に高いため、非常に注意が必要で危険な性病の1つです。

男性の性器クラミジア感染症の症状

尿道に違和感を感じる
排尿時に痛み
透明でサラサラした膿が出る
前立腺炎

性器クラミジアは、男性の方が症状が出やすい病気です。感染確率が非常に高い為、性感染症(STD)、つまり性病の患者の中でも男女ともに1位と、一番多い非常に注意すべき病気といえます。

淋病

淋菌に感染したことで起こる性感染症です。性行為による感染率は約30%と高く、性器クラミジア感染症と同時感染する確率も20~30%もあるため、クラミジアの検査も行う必要があります。患者数は平成28年度で男性6,654名、女性1,644名と男性患者が多いのが特徴です。喉からでも感染するため、ピンクサロンや風俗店でのオーラルセックスで一気に感染者が拡大してしまう点です。治療には抗生物質を服用して治療していきます。淋病で注意すべき点に、淋菌自体が進化してきて薬に対する耐性を持ち始め、以前なら効いた薬が効かなくなっている淋菌が存在していることです。治療でジスロマック等の抗生物質が処方されたり、淋菌に効果的な注射で治療したりします。

※引用データ:厚生労働省 年齢(5歳階級)別にみた性感染症(STD) 報告数の年次推移)

女性の淋病の症状

おりものの量が増える
不正出血
性器のかゆみ
性器の臭いがきつくなる
排尿時の痛みなどの尿道炎や膀胱炎
性交時に痛み
下腹部の痛み

女性の患者数が少ない性感染症です。感染者の多くは症状が出ないため、気づきにくい点も注意が必要です。放置していると、不妊の原因になったりします。

男性の淋病の症状

尿道のかゆみ
勃起時の痛み
排尿時に痛み
尿道からの透明または乳白色の分泌物が出る
黄色くドロドロした膿が出る
悪化すると睾丸炎を引き起こす

ピンクサロンなどで男性の淋菌キャリアから女性に感染し、女性から複数の男性に撒き散らすこともあります。女性が感染した場合、自覚症状が乏しいため、パートナーが気づきにくい点も挙げられます。

正確な診断は病院で

女性の場合、性感染症になると、主に膣炎を起こすため、初期症状はどの病気でも似たような症状となります。悪化してくると感染原因によって症状が変わってきます。しかし悪化すればするほど、完治するまで時間がかかるため、早期治療が必要です。

女性の膣カンジダ症は再発しやすい病気のため、過去に膣カンジダ症を経験したことがある女性の場合は、比較的に早く気づくことができ、症状が悪化する前に治療してしまう方がほとんどとなります。彼女たちの多くは、常備薬として自宅にカンジダ症の薬をストックしていて、初期症状の段階から治療することで、本格化する前に早く治してしまっています。しかしながら、似たような症状の別の性病の可能性もあるため、もしコンドームをつけない性行為をした場合、特にパートナーの性へのモラルが不明な場合は、上記の性感染症に注意してください。大切な人に、最愛の人に病気をうつさない為にも、パートナーと一緒になって治療していきましょう。