カンジダ症の膣錠とトリコモナス症のフラジール膣錠の違い - 効果と使い方

女性のデリケートゾーンで発症する嫌な病気にカンジダ症とトリコモナス症があります。どちらもおりものに変化があらわれ、痛みやかゆみを伴います。似たような症状ですが、原因が大きく異る為、治療方法が変わってきます。病気の違いを理解することで、1日でも早く完治できるように知識を得ていきましょう。

フラジールとカンジダ症について

トリコモナス症の治療で処方されているフラジールには、経口薬と膣錠があります。フラジールの経口薬は水で服用する錠剤ですが、フラジール膣錠は坐剤となっていて膣内に挿入して治療していきます。薬の効き方も異なり、経口薬は全身に成分が行き渡りますが、膣錠は膣内のみと局所的に効果を発揮します。

トリコモナス症は、トリコモナス膣炎とも呼ばれ、女性の方が顕著に症状があらわれ、女性器のかゆみや痛みを始めとした不快感や、おりものの変化などが特徴となります。この症状に近い病気に膣カンジダ症があります。

トリコモナス症の治療薬は、膣カンジダ症にも効果があると誤解されている人も中にはいるようです。トリコモナス症の治療薬とカンジダ症の治療薬とでは、薬の成分の作用が異なっています。つまりトリコモナス症で処方されるフラジールをカンジダ症の治療で使っても効果はありません。似たような症状の為、効果があるかもという認識が間違っているということを説明していきます。

トリコモナス症とカンジダ症の症状

トリコモナス症の主な症状
外陰部のかゆみ
悪臭の強い黄緑色の泡だったおりもの
血性のおりもの
性交時痛
性交不快感
排尿時痛
膣カンジダ症の主な症状
おりものの量が増える
ヨーグルトやチーズ状の白いカスが出る
外陰部に激しいかゆみ
外陰部に痛み
性交痛

トリコモナス症とカンジダ症のどちらも外陰部に強いかゆみがあります。おりものに変化もあり、トリコモナス症は黄色っぽくなります。カンジダ症は透明や白っぽい変化があります。大きな違いに臭いがあります。女性が膣トリコモナスに感染すると、魚が腐った様な非常に強烈な腐敗臭がします。

対してカンジダ症の場合は、基本的には無臭です。

トリコモナス症とカンジダ症の原因

病名 原因
トリコモナス症 寄生虫
カンジダ症 真菌(カビ)

膣トリコモナスによる感染症は、寄生虫であるトリコモナス原虫が性器に感染したことで発症します。しかし膣カンジダ症は、体内いる常在菌の1種であるカンジダ菌が異常増殖したことで症状があらわれます。カンジダ菌はカビの仲間で、パンを焼く時に使われるイースト菌もカビの1種です。

トリコモナス症とカンジダ症の感染経路

膣トリコモナス症とカンジダ症の感染経路の違いを説明していきます。

トリコモナス症の感染経路

トリコモナス症の感染原因は、性行為による感染がメインとなっています。膣トリコモナスに感染している人と、コンドームを付けずにセックスを行うと免疫部分を介してトリコモナスが感染していきます。感染確率は非常に高いと言われています。

また膣挿入以外でも免疫部分の接触や性器具の共用でも感染します。予防にはコンドームを使う事でトリコモナス症の感染を回避できます。

性行為以外の感染経路

セックス以外でもトリコモナス症に感染する可能性があります。性行為の経験が無い人や子どもがトリコモナス症を発症するケースもあります。膣トリコモナスは、乾燥や強い酸性の環境では存在できません。しかしお風呂やプール等の水中では、長時間生存できるため、共同浴場やプールから感染してしまうことが稀にあります。また、膣トリコモナスキャリアの人との体を洗ったり拭くタオルや下着を共有すると、タオルを介して他に人に感染することがあります。

また妊娠中にトリコモナス症に感染したまま出産すると、新生児に2~17%で感染することが判明しております。

カンジダ症の感染経路

カンジダ症は、免疫力の低下や抗生物質の使用、ホルモンバランスの崩れ等をきっかけとして、人間の体内にいる常在菌であるカンジダ菌が異常増殖をしたことで起こる病気です。カンジダ症が出ている人とコンドームを使用しないセックスでは、相手の性器にカンジダ菌が移ることで、異常増殖のきっかけを作ってしまうことで他人に感染させてしまうとも言えます。しかしながら、常在菌として人間の体内に普段から存在している菌ですので、基本的には自己感染となっています。

治療薬の作用の違い

トリコモナス症の治療薬であるフラジールやチニダゾール錠の主成分は、トリコモナス原虫のDNAを攻撃します。DNAの二重鎖を切断することで、トリコモナス原虫を死滅させて駆除していきます。

カンジダ症の薬で長年使われているイミダゾール系の薬は、カンジダ菌の細胞膜を攻撃します。細胞膜を作れなくなったカンジダ菌は死滅していきます。増殖した菌が通常の量に戻ることで症状が改善していきます。

作用する対象が寄生虫かカビかで大きく変わってきています。

つまり、フラジールに代表されるトリコモナス症の薬は、フラジール膣錠をカンジダ症が発症している女性に使用をしても、膣トリコモナスが膣内いなければ、効果はありません。フラジールには細菌性腟症や嫌気性菌感染症に適応症があるくらい、強い殺菌作用がありますが、残念ながら真菌(カビ)には効果がありません。真菌(カビ)は多細胞生物で細菌は単細胞生物です。

トリコモナス症でない正常な女性が、フラジールを使用してしまうと、主成分メトロニダゾールの殺菌効果によって、カンジダ菌を始めとした常在菌同士がバランスをとって共存共栄していた関係性を崩してしまうため、かえってカンジダ症を誘発しやすくなってしまいます。その為、副作用にカンジダ・アルビカンス(カンジダ症の原因となる真菌名)の増殖が挙げられているのはいたしかたありません。

トリコモナス症とカンジダ症以外の一般的に「性病」と呼ばれる性感染症(STD)の特徴や症状については、まとめたページがありますので、そちらで確認してみてください。