トリコモナス症とは 原因と症状を学んで今日から始める性感染症予防

トリコモナス症治療薬

トリコモナス症とは

膣トリコモナス
膣トリコモナス
※画像引用:Wikipedia

トリコモナス症は、寄生虫の1種の膣トリコモナスが、男性なら尿道に、女性なら尿道や膣に感染したことで起こる病気です。性感染症(STD)のひとつとされていて、主に性行為で感染します。トリコモナス症の感染者とコンドームをつけないでセックスを行うと、その感染確率は非常に高い為、簡単に相手に感染してしまいます。

性感染症のひとつとはえいえ、他の性病とは異なり、若い層だけでなく中高年の感染者も多く、幅広い年代で感染者をもつ病気です。

トリコモナス症の感染経路

トリコモナス症の感染経路は、主に性行為です。特にトリコモナス症の相手とコンドームを使用しないでセックスをすると、高い確率で感染してしまいます。また自覚症状が出ない場合も多いため、知らない内に相手にうつしていることさえあります。事実、近年アメリカの若者の間でトリコモナス症が爆発的に拡大しています。

また性行為以外でも感染する可能性があるのが、お風呂やトイレの便座、タオルや下着などから感染するケースもあります。親子で入浴をしていて、小さな娘に感染した事例もある程です。膣トリコモナス原虫は乾燥や強酸性の環境では活動できないため死滅してしまうのですが、水中ではしばらく生存できるため、銭湯や温泉などの共同浴場や、バスタブ、体を洗う時の座椅子などから感染する可能性があります。

トリコモナス症の症状

膣トリコモナス(Trichomonas vaginalis)に感染すると、潜伏期間を得て様々な症状があらわれます。

男性の症状

潜伏期間
ほぼ無症状 ※発症する場合は10日前後
症状 ※発症した場合
尿道炎・前立腺炎

男性が感染しても、そのほとんどが無症状となっています。もし症状が出てても、尿道炎による排尿時の痛みや尿道のかゆみや違和感程度となり、非常に軽度で済む場合がほとんどになります。悪化していくと、痛みを伴ったり前立腺炎や精巣上体炎を引き起こします。そのためトリコモナス症に感染している事に気が付かないまま、性行為によってセックスパートナーにうつしてしまう可能性が非常に高いのが特徴です。

女性の症状

潜伏期間
10日~数ヶ月 ※20~50%が無症状
症状
おりものが増える・泡状の強い悪臭のおりもの・外陰部や膣の痛み・外陰部の強いかゆみ・不正出血・排尿時の痛み・尿道炎
トリコモナス症の特徴

女性の場合は、膣のかゆみや痛み等は他の性感染症にも見られる症状ですが、特徴的なのが魚が腐った様な悪臭を放つ泡立ったおりものや黄色や黄緑色の膿性のおりものが出るようになります。この強烈な臭いを放つおりものこそが、他の性感染症と比べても、トリコモナス症特有の症状となります。膣炎を起こしているため、膣内部が赤くなったり痛みを伴います。また他の細菌感染症を合併することが多く、放置しておくとどんどん悪化してしまいます。この細菌感染が強烈な臭いの原因にもなっています。

トリコモナス症と他の性病の違い

女性の場合、膣内や外陰部に病変が起こる性感染症に、性器カンジダ症クラミジア症淋病があります。男性は男性器が感染箇所となるため、基本的には尿道炎を起こしますが、感染した病気によって症状が変わってきます。

性感染症の原因と治療薬の種類

病名原因治療薬
トリコモナス症寄生虫抗原虫剤
性器カンジダ症真菌(カビ)抗真菌剤
淋病細菌抗生物質
性器クラミジア症細菌抗生物質

性病の要因に対して治療方法が変わってきます。特に女性の場合、病気が異なっていても似たような症状となる事もありますので、素人判断せずに医師の診察を受け、原因に合った治療をする必要があります。

トリコモナス症の治療方法

膣トリコモナスに感染した場合、経口薬を服用して治療していきます。男性の場合は、大抵経口薬を飲めば完治してしまいます。しかし、女性で症状が悪化していると、経口薬だけでなく膣錠と併用して治療していくこともあります。

トリコモナス症の診察と検査

医療機関を受診する場合、膣トリコモナス原虫の有無を調べます。男性は尿道になるため、尿検査となり、結果が出るまで5~1週間位要します。女性の場合は膣分泌物液を採取して、鏡検法と呼ばれる顕微鏡で膣トリコモナスの有無を調べます。それ以外に培養法もあります。

トリコモナス症に効く薬

トリコモナス症の治療には、メトロニダゾールを主成分とした薬フラジールが処方されます。このフラジールという薬の歴史は古く、日本では1961年に販売開始されて以来、様々な適応症が追加され、半世紀以上たった今でも現役でファーストチョイスとして処方されている薬です。抗原虫作用を示すことで、トリコモナス原虫を死滅させてくれます。またトリコモナス症と併発しやすい嫌気性菌感染症や細菌性腟症の治療にも適応症があるため、膣内に感染した細菌も殺菌してくれる効果もあるため、トリコモナス症だけでなく合併症にも効果を発揮してくれる、非常に優れた薬です。副作用も少なく、ジェネリック薬に代表される後発医薬品がほとんど無いほど、完成された薬であるがゆえに、長年愛され続けているのです。